呻吟語 / 内篇・問學・賊を做さざれば就ち好し
聖門學問心訣,只是不做賊就好。或問之。曰:「做賊是個自欺心,自利心,學者於此二心,一毫擺脫不盡,與做賊何異?」
新字:聖門学問心訣,只是不做賊就好。或問之。曰:「做賊是個自欺心,自利心,学者於此二心,一毫擺脫不尽,与做賊何異?」
書き下し
聖門の學問心訣は、只だ是れ賊を做さざれば就ち好し。或るひと之を問ふ。曰く、「賊を做すは是れ個の自ら欺く心、自ら利する心なり。學者此の二心に於て、一毫も擺脫し盡くさずんば、賊を做すと何ぞ異ならん」と。
現代語訳
聖人の門の学問の秘訣は、ただ盗人にならなければそれでよい、ということです。ある人がそれを問いました。答えて言う。盗人になるとは、自分を欺く心と自分を利する心のことです。学ぶ者がこの二つの心を毛ほども振り払い切れないなら、盗人と何が違うでしょうか。
解説
学問の秘訣を、盗人にならないことだと言い放ちます。聞き手が驚いて問い返すのも当然で、そこで定義が明かされます。盗人とは自分を欺く心と自分を利する心のこと。この二つを振り払えないなら盗人と同じだ、と。日常の言葉で挑発しておいて中身を示す。読者の注意を引く書き方が巧みな一段です。日常の言葉で挑発しておいて、中身を示す書き方です。
この章句が説くこと
自欺自利盗学問秘訣
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