呻吟語 / 内篇・修身・俗氣膏肓に入る
俗氣入膏肓,扁鵲不能治。為人胸中無分毫道理,而庸調卑職、虛文濫套認之極真,而執之甚定,是人也,將欲救藥,知不可入。吾黨戒之。
新字:俗気入膏肓,扁鵲不能治。為人胸中無分毫道理,而庸調卑職、虚文濫套認之極真,而執之甚定,是人也,将欲救薬,知不可入。吾党戒之。
書き下し
俗氣膏肓に入らば、扁鵲も治す能はず。人と為り胸中に分毫の道理無くして、庸調卑職、虛文濫套を之を認むること極めて真にして、之を執ること甚だ定まる。是の人や、將に救藥せんと欲するも、入る可からざるを知る。吾が黨之を戒めよ。
現代語訳
俗な気が骨の髄まで入れば、名医の扁鵲でも治せません。人として胸の中に毛ほどの道理も無く、凡庸な調子や卑しい職務、中身の無い文と濫用された型を、この上なく本物と信じ込み、固く握って離さない。そういう人は、薬を与えようとしても入れる隙が無いと分かります。我々はこれを戒めましょう。
解説
俗というものを、治せない病として描きます。特徴は、中身の無い型を本物だと信じ込み、固く握っていること。信念が強いぶん、薬の入る隙がありません。悪人より厄介なのは、疑わない人だという見方です。前に出てきた、崩れた決まりを法のように守るという段と同じ人物像が、ここでは病名を与えられています。悪人より厄介なのは、疑わない人だという見方になります。
この章句が説くこと
俗型信念不治固執
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