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呻吟語 / 内篇・修身・自ら欺くと人を欺く

自家作人,自家十分曉底,乃虛美薰心,而喜動顏色,是為自欺。別人作人,自家十分曉底,乃明知其惡,而譽侈口頰,是謂欺人。二者皆可恥也。

新字:自家作人,自家十分暁底,乃虚美薫心,而喜動顏色,是為自欺。別人作人,自家十分暁底,乃明知其悪,而誉侈口頰,是謂欺人。二者皆可恥也。

書き下し

自家人と作るは、自家十分に曉る底なり。乃ち虛美心に薰じて、喜び顏色に動くは、是れを自ら欺くと為す。別人人と作るは、自家十分に曉る底なり。乃ち明らかに其の惡を知りて、譽め口頰に侈るは、是れを人を欺くと謂ふ。二つの者は皆な恥づ可きなり。

現代語訳

自分がどんな人間かは、自分が十分に分かっています。それなのに中身の無い褒め言葉に心が浮かれ、喜びが顔色に出るのは、自分を欺くことです。他人がどんな人間かも、自分が十分に分かっています。それなのに相手の悪をはっきり知りながら、口を極めて褒めるのは、人を欺くことです。この二つはどちらも恥ずべきことです。

解説

褒められることと褒めることを、どちらも欺きとして扱います。前提にあるのは、自分のことも相手のことも実はよく分かっているという認識です。分かっていながら喜び、分かっていながら褒める。無知ではなく、知りながらやるからこそ欺きになります。世辞のやり取りを、二人分の欺きとして描いた一段です。知りながらやるからこそ、欺きになるという見方です。

この章句が説くこと

世辞自欺欺人褒め言葉

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