呻吟語 / 内篇・修身・體面の二字は法度の賊
吾不知此時治體當如何反也。體面二字,法度之賊也。體面重,法度輕;法度弛,紀綱壞。昔也病在法度,今也病在紀綱。名分者,紀綱之大物也。今也在朝小臣藐大臣,在邊軍士輕主帥,在家子婦蔑父母,在學校弟子慢師,後進凌先進,在鄉里卑幼軋尊長。惟貪肆是恣,不知禮法為何物,漸不可長。今已長矣,極之必亂必亡,勢已重矣,反已難矣。無識者猶然,甚之,奈何?
新字:吾不知此時治体当如何反也。体面二字,法度之賊也。体面重,法度軽;法度弛,紀綱壊。昔也病在法度,今也病在紀綱。名分者,紀綱之大物也。今也在朝小臣藐大臣,在辺軍士軽主帥,在家子婦蔑父母,在学校弟子慢師,後進凌先進,在鄉里卑幼軋尊長。惟貪肆是恣,不知礼法為何物,漸不可長。今已長矣,極之必乱必亡,勢已重矣,反已難矣。無識者猶然,甚之,奈何?
書き下し
吾知らず此の時治體當に如何に反るべきかを。體面の二字は、法度の賊なり。體面重ければ、法度輕し。法度弛めば、紀綱壞る。昔や病は法度に在り、今や病は紀綱に在り。名分なる者は、紀綱の大物なり。今や朝に在りては小臣大臣を藐り、邊に在りては軍士主帥を輕んじ、家に在りては子婦父母を蔑し、學校に在りては弟子師を慢り、後進は先進を凌ぎ、鄉里に在りては卑幼尊長を軋す。惟だ貪肆のみ是れ恣にして、禮法の何物爲るかを知らず。漸く長ず可からず。今已に長ぜり。
現代語訳
私には、今の政のあり方をどう立て直すべきか分かりません。体面という二字は、法度を損なう賊です。体面が重ければ法度は軽くなり、法度が緩めば紀綱が壊れます。昔は病が法度にありましたが、今は病が紀綱にあります。名分は紀綱の大きな柱です。今、朝廷では下位の臣が大臣を侮り、辺境では兵が主帥を軽んじ、家では子と嫁が父母を蔑ろにし、学校では弟子が師を侮り、後から来た者が先の者を凌ぎ、郷里では若い者が年長者を押しのけます。ただ貪りと勝手をほしいままにし、礼法が何であるかを知りません。大きくしてはならないものが、すでに大きくなりました。
解説
この章句が説くこと
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