呻吟語 / 内篇・修身・寬に過ぐれば人を殺す
過寬殺人,過美殺身。是以君子不縱民情以全之也,不盈己欲以生之也。
新字:過寛殺人,過美殺身。是以君子不縦民情以全之也,不盈己欲以生之也。
書き下し
寬に過ぐれば人を殺し、美に過ぐれば身を殺す。是を以て君子は民情を縱にして以て之を全うせざるなり、己が欲を盈たして以て之を生かさざるなり。
現代語訳
寛大さが過ぎれば人を殺し、美しさが過ぎれば身を殺します。だから君子は民の欲するままにさせることで民を全うするのではなく、自分の欲を満たすことで自分を生かすのでもありません。
解説
寛大さと美しさという、どちらも望ましいものが過ぎれば人を殺すと言います。甘やかせば相手が崩れ、飾りが過ぎれば自分が滅びる。そして君子はその逆を取ると続けます。民の望むままにさせないことが民を全うする道であり、自分の欲を満たさないことが自分を生かす道だという逆説です。前に出てきた、甘やかしは愛ではないという段と一続きです。
この章句が説くこと
寛大過剰甘やかし欲逆説
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