呻吟語 / 内篇・修身・碌碌一生、百事成る無し
以精到之識,用堅持之心,運精進之力,便是金石可穿,豚魚可格,更有甚麼難做之事功?難造之聖神?士君子碌碌一生,百事無成,只是無志。
書き下し
精到の識を以てし、堅持の心を用ひ、精進の力を運らせば、便ち是れ金石も穿つ可く、豚魚も格る可し。更に甚麼の做し難きの事功、造り難きの聖神か有らん。士君子碌碌として一生、百事成る無きは、只だ是れ志無きなり。
現代語訳
行き届いた見識をもって、堅く持ち続ける心を用い、精進する力を運らせれば、金石も穿てるし、豚や魚のような相手も感化できます。それ以上に成し遂げがたい仕事、到りがたい聖なる境地があるでしょうか。士君子が漫然と一生を送り、何事も成らないのは、ただ志が無いからです。
解説
見識と持続と精進の三つが揃えば何でも成ると言い、成らないのは志が無いからだと結論づけます。能力でも運でもなく志に原因を戻すのは厳しい見方ですが、逆に言えば誰にでも入口があるということでもあります。金石を穿ち豚魚を感化するという大きな比喩の後に、碌碌という日常の言葉を置く落差も効いています。原因を志に戻すのは厳しいが、誰にでも入口があるということでもあります。
この章句が説くこと
志見識持続精進成就
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