呻吟語 / 内篇・修身・分を知る者は心常に寧し
知分者,心常寧,欲常得,所欲得自足以安身利用。
書き下し
分を知る者は、心常に寧く、欲常に得たり。欲する所得れば自ら以て身を安んじ用を利するに足る。
現代語訳
分を知る者は、心がいつも安らかで、欲するものがいつも得られます。欲したものが得られれば、それだけで身を安んじ、用を足すのに十分です。
解説
分を知ることの効き目を、心の安らぎと欲の充足の二つで示します。欲が常に得られるというのは、欲の側を手の届く範囲に置いているからです。つまり満足は、得る量ではなく望む範囲で決まる。前の二段からの結論にあたり、身を安んじ用を足すという実際的な水準で締めているところに、この書の地に足の着いた調子が出ています。
この章句が説くこと
知分満足安寧欲範囲
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