呻吟語 / 内篇・修身・富・貧・貴・賤の四德
富以能施為德,貧以無求為德,貴以下人為德,賤以忘勢為德。
新字:富以能施為徳,貧以無求為徳,貴以下人為徳,賤以忘勢為徳。
書き下し
富は能く施すを以て德と為し、貧は求むる無きを以て德と為し、貴は人に下るを以て德と為し、賤は勢を忘るるを以て德と為す。
現代語訳
富める者は施せることを徳とし、貧しい者は求めないことを徳とし、貴い者は人に下ることを徳とし、賤しい者は勢いを忘れることを徳とします。
解説
四つの境遇に、それぞれ違う徳を割り当てます。富と貴には手放す方向、貧と賤には求めない方向です。どの境遇にも果たせる徳があるとされている点が要で、恵まれていないから徳を積めないという言い訳が立ちません。とくに賤の徳が勢いを忘れることとされているのが鋭く、力を羨まないことが下にいる者の徳になります。どの境遇にも、果たせる徳が一つ割り当てられています。
この章句が説くこと
富貴貧賤徳境遇配分
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