呻吟語 / 内篇・修身・名跡は一に去來に任す
近看來,太執著,大矯激,只以無心任自然求當其可耳。名跡一任去來,不須照管。
新字:近看来,太執著,大矯激,只以無心任自然求当其可耳。名跡一任去来,不須照管。
書き下し
近ごろ看來たるに、太だ執著し、大いに矯激なり。只だ無心自然を以て其の可に當たるを求むるのみ。名跡は一に去來に任せ、照管するを須ひず。
現代語訳
近ごろ見直してみると、あの四語はあまりに固執が過ぎ、大いに極端でした。ただ無心のまま自然に、ちょうど良い所に当たることを求めるだけです。評判も足跡も、去るに任せ来るに任せて、見張る必要はありません。
解説
前の段で掲げた四語を、自分で撤回する段です。実質を上げて名を下げたいという願いも、よく見ればそれ自体が固執であり極端だった、と。評判を上げたいのも下げたいのも、評判を気にしている点では同じです。だから去来に任せる。掲げた志を十年後に自分で相対化してみせる、この二段続きの構成がこの書の誠実さを表しています。
この章句が説くこと
執着自然名跡撤回無心
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