呻吟語 / 内篇・修身・古人を契友と為し、天地を知己と為す
多少英雄豪傑可與為善而卒無成,只為拔此身於習俗中不出。若不恤群謗,斷以必行,以古人為契友,以天地為知己,任他千誣萬毀何妨?
新字:多少英雄豪傑可与為善而卒無成,只為抜此身於習俗中不出。若不恤群謗,断以必行,以古人為契友,以天地為知己,任他千誣万毀何妨?
書き下し
多少の英雄豪傑、與に善を為す可くして卒に成る無きは、只だ此の身を習俗の中より拔きて出でざるが為なり。若し群謗を恤へず、斷じて以て必ず行ひ、古人を以て契友と為し、天地を以て知己と為さば、他の千誣萬毀に任すも何ぞ妨げん。
現代語訳
多くの英雄豪傑が、共に善をなせるはずでありながら結局は成らないのは、ただこの身を世の習わしの中から引き抜けないからです。もし大勢の誹りを気にせず、断じて必ず行うと決め、古人を心の友とし、天地を知己とするなら、千の讒言万の誹りを受けても何の妨げになるでしょうか。
解説
志のある人が成らない理由を、能力ではなく習俗から抜けられないことに置きます。周りと同じ暮らしをしていれば、周りと同じ結末になるからです。そして抜けるための支えとして、古人と天地が挙げられます。同時代に理解者がいなくても、時間と空間を広げれば友がいる。前に出てきた、寄る辺を持たない者は天に寄るという段と同じ支え方です。
この章句が説くこと
習俗独立誹謗古人支え
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