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呻吟語 / 内篇・修身・無可奈何を以て自ら諉れず

力有所不能,聖人不以無可奈何者責人;心有所當盡,聖人不以無可奈何者自諉。

新字:力有所不能,聖人不以無可奈何者責人;心有所当尽,聖人不以無可奈何者自諉。

書き下し

力に能はざる所有れば、聖人は無可奈何なる者を以て人を責めず。心に當に盡くすべき所有れば、聖人は無可奈何なる者を以て自ら諉れず。

現代語訳

力に及ばないところがあれば、聖人はどうにもならないことで人を責めません。心に尽くすべきところがあれば、聖人はどうにもならないという理由で自分に言い訳しません。

解説

同じどうにもならないという言葉を、他人に向けるときと自分に向けるときで正反対に使います。他人には、できないことを責めない。自分には、できないことを言い訳にしない。二十数字で非対称を言い切っており、人に甘く自分に厳しいという構えが一つの文の中に収まっています。前に出てきた、他人には堯舜を求め自分を盗跖として扱うという段の、ちょうど裏返しです。

この章句が説くこと

寛容自責限界言い訳非対称

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