呻吟語 / 内篇・修身・四つの賊
奮始怠終,修業之賊也;緩前急後,應事之賊也;躁心浮氣,畜德之賊也;疾言厲色,處眾之賊也。
新字:奮始怠終,修業之賊也;緩前急後,応事之賊也;躁心浮気,畜徳之賊也;疾言厲色,処眾之賊也。
書き下し
始めに奮ひて終はりに怠るは、業を修むるの賊なり。前に緩くして後に急なるは、事に應ずるの賊なり。躁心浮氣は、德を畜ふるの賊なり。疾言厲色は、眾に處るの賊なり。
現代語訳
始めに勢いよく終わりに怠けるのは、業を修めることの賊です。前半をゆるくして後半を急ぐのは、事に応じることの賊です。せかせかした心と浮ついた気は、徳を蓄えることの賊です。早口ときつい顔色は、人と交わることの賊です。
解説
四つの場面と、それぞれを台無しにする癖を対にします。学びには尻すぼみ、仕事には後半の詰め込み、徳には浮ついた気、人付き合いには早口ときつい顔。どれも悪意ではなく癖であるところが厄介です。賊という一語を四度繰り返すことで、静かに盗まれている感覚が伝わります。自分の四つの場面を点検する表として、そのまま使える形です。
この章句が説くこと
怠惰段取り浮気態度癖
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