呻吟語 / 内篇・修身・一雙の俗眼目
只一個俗念頭,錯做了一生人;只一雙俗眼目,錯認了一生人。
新字:只一個俗念頭,錯做了一生人;只一双俗眼目,錯認了一生人。
書き下し
只だ一個の俗念頭、錯りて一生の人を做し了はる。只だ一雙の俗眼目、錯りて一生の人を認め了はる。
現代語訳
ただ一つの俗な思いつきが、一生の人としてのあり方を誤らせます。ただ一組の俗な目が、一生のあいだ人の見立てを誤らせます。
解説
誤りの元を、大それた悪ではなく俗な思いと俗な目に置きます。しかも影響が一生に及ぶという幅の取り方が怖い。思いのほうは自分の生き方を誤らせ、目のほうは他人の見立てを誤らせる。この二つを分けている点も見逃せません。自分を誤るのと人を見誤るのは、どちらも同じ俗という一語から来ているのです。大きな悪ではなく、俗という一語が一生を左右するのです。
この章句が説くこと
俗見識人物眼一生誤り
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