呻吟語 / 内篇・存心・只だ模糊として一生を過ごす
把意念沉潛得下,何理不可得?把志氣奮發得起,何事不可做?今之學者,將個浮躁心觀理,將個委靡心臨事,只模糊過了一生。
新字:把意念沈潜得下,何理不可得?把志気奮発得起,何事不可做?今之学者,将個浮躁心観理,将個委靡心臨事,只模糊過了一生。
書き下し
意念を沉潛し得下さば、何の理か得可からざらん。志氣を奮發し得起さば、何の事か做し可からざらん。今の學者は、個の浮躁の心を將て理を觀、個の委靡の心を將て事に臨む。只だ模糊として一生を過ごせり。
現代語訳
思いを深く沈めることができれば、どんな道理が得られないでしょうか。志と気を奮い立たせることができれば、どんな事が成せないでしょうか。今の学ぶ者は、浮ついて焦る心で道理を見て、萎えてたるんだ心で事に臨みます。ただぼんやりと一生を過ごしているだけです。
解説
考えるときと動くときで、必要な心の状態が違うことが示されます。理を見るには沈めること、事を成すには奮い立たせること。ところが今の学者は逆で、理を見るときに浮ついて焦り、事に臨むときに萎えている、と。取り違えの指摘が的確です。深く沈むべき場面で急ぎ、奮い立つべき場面で引っ込む。結果はぼんやりした一生だと言い切られます。
この章句が説くこと
沈潜奮発取違浮躁委靡
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