呻吟語 / 内篇・修身・竟夕點檢す
只竟夕點檢,今日說得幾句話關係身心,行得幾件事有益世道,自慊自愧,恍然獨覺矣。若醉酒飽肉、恣談浪笑,卻不錯過了一日;亂言妄動、昧理從欲,卻不作孽了一日。
新字:只竟夕点検,今日説得幾句話関係身心,行得幾件事有益世道,自慊自愧,恍然独覚矣。若酔酒飽肉、恣談浪笑,却不錯過了一日;乱言妄動、昧理従欲,却不作孽了一日。
書き下し
只だ竟夕點檢するに、今日說き得たる幾句の話は身心に關係あり、行ひ得たる幾件の事は世道に益有りと。自ら慊り自ら愧ぢ、恍然として獨り覺る。若し酒に醉ひ肉に飽き、談を恣にし笑ひを浪りにせば、卻って一日を錯過せざらんや。言を亂り動を妄にし、理に昧く欲に從はば、卻って一日を作孽せざらんや。
現代語訳
ただ夜通し点検してみる。今日話したいくつかの言葉のうち、身と心に関わるものはどれか。行ったいくつかの事のうち、世の道に益するものはどれか。自ら満ち、自ら恥じ、はっとして独りで気づきます。もし酒に酔い肉に飽き、思うままに語り笑いを散らしたなら、一日を取り落としたことになるでしょう。言葉を乱し行いを勝手にし、道理に暗く欲に従ったなら、一日ぶんの罪を作ったことになるでしょう。
解説
一日の終わりに二つだけ数えよ、と言います。身心に関わる言葉を何句話したか、世に益する事を何件したか。数が出れば満ち、出なければ恥じる。そして使わなかった一日は取り落としであり、乱れた一日は罪の製造だと言い分けます。ただの反省ではなく、勘定の付け方を指定しているところが実際的です。数えられる形にしておくことが、続ける助けになります。

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本の中身を見るこの章句が説くこと
点検一日振り返り言葉行い
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『春秋左氏伝』昭公元年 言を以て物を知る三月、甲辰、盟ふ。楚の公子圍服を設け衛を離ぬ。叔孫穆子曰く、「楚の公子美なり、君なるかな」と。鄭の子皮曰く、「二執戈の者前めり」と。蔡の子家曰く、「蒲宮に前有り、亦た可ならずや」と。楚の伯州犁曰く、「此の行や、辭して之を寡君に假れり」と。鄭の行人揮曰く、「假りて反さざらん」と。伯州犁曰く、「子姑く子皙の背誕せんと欲するを憂へよ」と。子羽曰く、「當璧猶ほ在り。假りて反さずとも、子其れ憂ひ無からんや」と。齊の國子曰く、「吾二子に代りて愍ふ」と。陳の公子招曰く、「憂へずんば何ぞ成らん。二子樂しめり」と。衛の齊子曰く、「苟くも或いは之を知らば、憂ふと雖も何ぞ害あらん」と。宋の合左師曰く、「大國令し、小國共す。吾共するを知るのみ」と。晉の樂王鮒曰く、「小旻の卒章善し。吾之に從はん」と。會より退く。子羽子皮に謂ひて曰く、「叔孫は絞にして婉、宋の左師は簡にして禮、樂王鮒は字しみて敬す。子と子家とは之を持す。皆保世の主なり。齊・衛・陳の大夫は、其れ免れざらんか。國子は人に代りて憂ひ、子招は憂ひを樂しみ、齊子は憂ふと雖も害せずとす。夫れ及ばずして憂ふると、憂ふべくして樂しむと、憂へて害せずとするとは、皆憂ひを取るの道なり。憂ひ必ず之に及ばん。大誓に曰く、『民の欲する所は、天必ず之に從ふ』と。三大夫憂ひを兆す、能く至ること無からんや。言以て物を知るとは、其れ是の謂なり」と。
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