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呻吟語 / 内篇・修身・沉靜は最も美質なり

沉靜最是美質,蓋心存而不放者。今人獨居無事,已自岑寂難堪,才應事接人,便任口恣情,即是清狂,亦非蓄德之器。

新字:沈静最是美質,蓋心存而不放者。今人独居無事,已自岑寂難堪,才応事接人,便任口恣情,即是清狂,亦非蓄徳之器。

書き下し

沉靜は最も是れ美質なり。蓋し心存して放たざる者なり。今人獨居無事なるに、已に自ら岑寂堪へ難し。才かに事に應じ人に接すれば、便ち口に任せ情を恣にす。即ち是れ清狂なるも、亦た德を蓄ふるの器に非ず。

現代語訳

落ち着いて静かであることが、最も善い資質です。心がそこにあって放たれていないからです。今の人は独りでいて用事が無いだけで、もう寂しさに堪えられません。少しでも事に当たり人に会えば、口に任せ感情のままに振る舞います。それが清らかな狂いであったとしても、徳を蓄える器ではありません。

解説

落ち着きを最上の資質としたうえで、その中身を心が放たれていないことだと定義します。だから、独りでいて寂しさに堪えられないのは、すでに心が外へ出ている証拠になります。人に会った途端に口が軽くなるのも同じ根から出ている。一人でいられるかどうかが、人と会ったときの振る舞いを決めるという診断で、器の有無をここで測っています。

この章句が説くこと

沈静孤独放心

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