呻吟語 / 内篇・談道・才かに天機を露はせば便ち玄ならず
總埋泉壤終須白,才露天機便不玄。
新字:総埋泉壤終須白,才露天機便不玄。
書き下し
總て泉壤に埋むるも終に須らく白かるべし、才かに天機を露はせば便ち玄ならず。
現代語訳
すべて地の底に埋めても、いつかは必ず明らかになります。わずかでも天の機微を漏らせば、それはもう奥深いものではありません。
解説
隠したことは必ず露見するという前半と、漏らした途端に値打ちが消えるという後半を並べます。隠し通せないのだから初めから隠すなという読み方もでき、同時に、軽々しく口にしたものは深さを失うという戒めにもなります。前に出てきた、祭祀を道破してはならないという段と響き合う一行で、知っていることをどう扱うかという問いが続いています。
この章句が説くこと
隠す露見秘密軽率深さ
関連する章句
-
『呻吟語』内篇・應務・人を戒むると己を戒むると孰れか難き余少き時曾て當に密なるべきの語を泄らす。先君之を責む。對へて曰く、「已に聞く者を戒めて泄らす勿からしめたり」と。先君曰く、「子は子の口を必する能はずして、能く人の口を必するか。且つ人を戒むると己を戒むると孰れか難き。小子之を慎め」と。
-
『呻吟語』内篇・修身・枕席の言は四海に通ず枕席の言、房闥の行は、四海に通ず。牆卑く室淺き者は論ずる無く、即ち宮禁の深嚴なるも、言ひて知られず、動きて聞かれざる者有る無し。士君子名節を愛せずんば則ち已む。如し一毫も自ら好むの心有らば、幽獨盲動慎まざる可けんや。
-
孫子・始計篇此れ兵家の勝なり。先づ伝うべからざるなり。
-
『甲陽軍鑑』品第四十二しる如件雑人のいふ、よき事を吉凶に任せつくる也、信玄公のあひこと、関東越後·美濃·三河もろ〳〵の敵地にて後は存したるにより御他界の一両年前よりは敵かふくべなどこ作りて申候は、能信玄公御ほこさきつよくして、
-
老子・第4章道は沖にして、之を用うるも或いは盈たず。淵たり、万物の宗に似たり。其の鋭を挫き、其の紛を解き、其の光を和らげ、其の塵に同じくす。湛たり、或いは存するに似たり。吾れ誰の子なるかを知らず、帝の先に象たり。
-
論語・子張篇叔孫武叔、大夫に朝に語りて曰く、「子貢は仲尼より賢れり。」子服景伯、以て子貢に告ぐ。子貢曰く、「諸を宮牆に譬うれば、賜の牆や肩に及び、室家の好きを闚い見る。夫子の牆は数仞、其の門を得て入らざれば、宗廟の美・百官の富を見ず。其の門を得る者或いは寡なし。夫子の云えるも、亦た宜ならずや。」