李衛公問対 / 卷下
朕觀千章萬句,不出乎『多方以誤之』一句而已。
新字:朕観千章万句,不出乎『多方以誤之』一句而已。
書き下し
朕、千章萬句を觀るに、『多方以て之を誤らしむ』の一句を出でざるのみ。
現代語訳
私が数多くの兵法書の言葉を見てきたところ、結局のところ「あらゆる手立てで相手を誤らせる」という一句に尽きるものだ。
解説
数多くの兵法の教えを突き詰めれば、要は相手の判断を狂わせることに帰着するという核心を突いた言葉である。力ずくで押し切るのではなく、相手が誤った選択をするように仕向けることこそが、最も効率のよい勝ち方だという見方である。仕事上の駆け引きや交渉でも、正面から力を競うより、相手の思い込みや判断の隙を突く方が事が運びやすいことは多い。ただしそれは同時に、自分自身が誤らされないよう常に警戒する必要があるという教えでもある。
この章句が説くこと
誤らせる判断核心
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