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呻吟語 / 内篇・談道・禮の世に於けるや大なる哉

禮教大明,中有犯禮者一人焉,則眾以為肆而無所容;禮教不明,中有守禮者一人焉,則眾以為怪而無所容。禮之於世大矣哉!

新字:礼教大明,中有犯礼者一人焉,則眾以為肆而無所容;礼教不明,中有守礼者一人焉,則眾以為怪而無所容。礼之於世大矣哉!

書き下し

禮教大いに明らかなれば、中に禮を犯す者一人有らば、則ち眾以て肆なりと為して容るる所無し。禮教明らかならざれば、中に禮を守る者一人有らば、則ち眾以て怪なりと為して容るる所無し。禮の世に於けるや大なる哉。

現代語訳

礼の教えが行き渡っていれば、その中に礼を破る者が一人いれば、皆はそれを勝手だとして受け入れません。礼の教えが行き渡っていなければ、その中に礼を守る者が一人いれば、皆はそれを変わり者だとして受け入れません。礼が世に与える力は大きいものです。

解説

同じ一人の振る舞いが、周りの水準しだいで浮いたり沈んだりする様子を、左右対称に描きます。恐ろしいのは後半で、礼が崩れた場では、正しく振る舞う人のほうが排除されるという指摘です。個人の努力だけでは持ちこたえられない領域があり、だから場の水準を保つことが大事だという結論につながります。個人の徳だけでなく、場の水準を保つ責任を説いています。

この章句が説くこと

規範同調排除

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