呻吟語 / 内篇・談道・陰は養ふ所、陽は用ふる所
聖人作用,皆以陰為主,以陽為客。陰所養者也,陽所用者也。天地亦主陰而客陽。二氏家全是陰,道家以陰養純陽而嗇之,釋家以陰養純陰而寶之。凡人陰多者,多壽多福;陽多者,多夭多禍。
新字:聖人作用,皆以陰為主,以陽為客。陰所養者也,陽所用者也。天地亦主陰而客陽。二氏家全是陰,道家以陰養純陽而嗇之,釈家以陰養純陰而宝之。凡人陰多者,多寿多福;陽多者,多夭多禍。
書き下し
聖人の作用は、皆な陰を以て主と為し、陽を以て客と為す。陰は養ふ所の者なり、陽は用ふる所の者なり。天地も亦た陰を主とし陽を客とす。二氏の家は全く是れ陰なり。道家は陰を以て純陽を養ひて之を嗇しみ、釋家は陰を以て純陰を養ひて之を寶とす。凡そ人の陰多き者は、壽多く福多し。陽多き者は、夭多く禍多し。
現代語訳
聖人のはたらきは、みな陰を主人とし、陽を客とします。陰は養うものであり、陽は用いるものです。天地もまた陰を主人とし、陽を客とします。仏道の二家はまったく陰の側です。道家は陰によって純陽を養い、これを惜しみます。仏家は陰によって純陰を養い、これを宝とします。人でも陰の多い者は長生きし福が多く、陽の多い者は早死にし災いが多いのです。
解説
表に出る力を客に、内に養う力を主人に置きます。使う分だけを客として出し、蓄える側を主人として守るという配分です。呂坤はこれを天地の運び方だとし、寿命や禍福の差までここに帰します。目立って動く人ほど消耗が早いという、ごく実際的な観察が背後にあります。養う時間を持たずに出し続けている人には、耳の痛い一段でしょう。
この章句が説くこと
陰陽蓄積消耗養生配分
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