呻吟語 / 内篇・談道・利刃もて木綿を斲る
利刃斲木綿,迅炮擊風幟,必無害矣。
書き下し
利刃もて木綿を斲り、迅炮もて風幟を擊つ。必ず害無からん。
現代語訳
よく切れる刃で綿を切り、速い砲で風にはためく旗を撃つ。これなら傷つくことはありません。
解説
わずか十数字の一段です。鋭い刃も柔らかい綿は切り裂けず、勢いよく撃っても風になびく旗は破れない。剛が柔に効かないという老子以来の主題を、二つの具体像だけで置いています。強く出る相手にどう当たるかを考えるとき、力の大きさではなく受け方の柔らかさが身を守るという読み方もできます。理屈を書かずに像だけを残すのが、この書の短い段の作り方です。
この章句が説くこと
剛柔受け方防御柔軟力
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