呻吟語 / 内篇・談道・一陰一陽之を道と謂ふ
「二女同居,其志不同行」,見孤陽也。若無陽,則二女何不同行之有?二陽同居,其志同行,不見陰也。若見孤陰,則二男亦不可以同居矣。故曰「一陰一陽之謂道」,六爻雖具陰陽之偏,然各成一體,故無嫌。
新字:「二女同居,其志不同行」,見孤陽也。若無陽,則二女何不同行之有?二陽同居,其志同行,不見陰也。若見孤陰,則二男亦不可以同居矣。故曰「一陰一陽之謂道」,六爻雖具陰陽之偏,然各成一体,故無嫌。
書き下し
「二女同居すれば、其の志行を同じくせず」とは、孤陽を見ればなり。若し陽無くんば、則ち二女何ぞ行を同じくせざることか之れ有らん。二陽同居すれば、其の志行を同じくするは、陰を見ざればなり。若し孤陰を見れば、則ち二男も亦た以て同居す可からず。故に曰く「一陰一陽之を道と謂ふ」と。六爻は陰陽の偏を具ふと雖も、然れども各おの一體を成す。故に嫌ひ無し。
現代語訳
二人の女が同じ家にいると志が合わないというのは、そこに一人の男がいるからです。男がいなければ、二人の女が合わないことなどありません。二人の男が同じ家にいて志が合うのは、女を見ていないからです。もし一人の女が現れれば、二人の男もまた一緒にはいられません。だから一陰一陽を道と言うのです。六つの爻は陰陽どちらかに偏っていますが、それぞれ一つのまとまりをなしているので、差し支えはありません。
解説
易経の卦の説明ですが、読みどころは争いの原因の見立てです。二人が対立するのは性格が合わないからではなく、奪い合う対象が一つ現れたからだ、という指摘になっています。取り合う的が無ければ同じ家で暮らせるのです。人間関係のもつれを、当人同士の相性ではなく場の構造から見る目が働いており、仲裁に入る者にとっては、人を変えるより場を変えよという実際的な示唆になります。
この章句が説くこと
陰陽対立構造易関係
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