呻吟語 / 内篇・談道・言多くして道愈いよ漓し
道有一真,而意見常千百也,故言多而道愈漓;事有一是,而意見常千百也,故議多而事愈僨。
書き下し
道に一真有り、而れども意見は常に千百なり。故に言多くして道愈いよ漓し。事に一是有り、而れども意見は常に千百なり。故に議多くして事愈いよ僨る。
現代語訳
道には一つの真実がありますが、意見はいつも千にも百にもなります。だから言葉が増えるほど道は薄まります。事には一つの正解がありますが、意見はいつも千にも百にもなります。だから議論が増えるほど事は壊れます。
解説
会議が長いほど結論が薄くなる理由を、二十数字で言い当てています。真実はひとつなのに意見は無数なので、言葉を足すたびに真実の濃度は下がる。事についても同じで、議論を重ねるほど実行は遠のく。話し合いを否定しているのではなく、話し合いの量と正しさが比例しないと言っているのです。前の段の一を執るという主張が、会議室の場面に降りてきた形になっています。
この章句が説くこと
議論意見会議決定簡潔
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