呻吟語 / 内篇・談道・體を明らかにするは全く用に適する為なり
明體全為適用。明也者,明其所適也,不能適用,何貴明體?然未有明體而不適用者。樹有根,自然千枝萬葉;水有泉,自然千流萬派。
新字:明体全為適用。明也者,明其所適也,不能適用,何貴明体?然未有明体而不適用者。樹有根,自然千枝万葉;水有泉,自然千流万派。
書き下し
體を明らかにするは全く用に適する為なり。明とは、其の適する所を明らかにするなり。用に適する能はずんば、何ぞ體を明らかにするを貴ばんや。然れども未だ體を明らかにして用に適せざる者有らず。樹に根有らば、自然に千枝萬葉あり。水に泉有らば、自然に千流萬派あり。
現代語訳
本体を明らかにするのは、すべて用に適うためです。明らかにするとは、適う先を明らかにすることです。用に適えないなら、どうして本体を明らかにすることを貴ぶでしょうか。しかし本体を明らかにして用に適わなかった例はありません。木に根があれば、自然と千の枝と万の葉があります。水に泉があれば、自然と千の流れと万の支流があります。
解説
理論と実用の関係が示されます。本体を明らかにするのは用に適うためであって、それ自体が目的ではない、と。そのうえで安心させる一句が置かれます。本体を明らかにして用に適わなかった例はない。根があれば枝葉が茂り、泉があれば流れが分かれるように。実用を軽んじない一方で、原理を学ぶことが遠回りではないと示す均衡のとれた一段です。
この章句が説くこと
明体適用目的根泉
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