呻吟語 / 内篇・談道・化と精
此身要與世融液,不見有萬物形跡、六合界限,此之謂化。然中間卻不模糊,自有各正底道理,此之謂精。
新字:此身要与世融液,不見有万物形跡、六合界限,此之謂化。然中間却不模糊,自有各正底道理,此之謂精。
書き下し
此の身は世と融液して、萬物の形跡、六合の界限有るを見ざらんことを要す。此れを之れ化と謂ふ。然れども中間卻つて模糊たらず、自ら各〻正しき底の道理有り。此れを之れ精と謂ふ。
現代語訳
この身は世と溶け合って、万物の形の跡も、天地四方の境目も見えないようになりたい。これを化と言います。しかしその中はぼんやりしているのではなく、それぞれに正しい道理があります。これを精と言います。
解説
化と精という二つの語が対にされます。化は世と溶け合って境目が見えなくなること、精はその中でそれぞれの道理がはっきりしていること。溶けることと分かることが同居している状態です。溶け合えばぼんやりする、という思い込みが外されます。境目は無いが筋は通っている、という難しい両立が、二つの字で名づけられています。
この章句が説くこと
化精融液界限両立
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