呻吟語 / 内篇・談道・止水は星月を見る
造化之精,性天之妙,惟靜觀者知之,惟靜養者契之,難與紛擾者道。故止水見星月,才動便光芒錯雜矣。悲夫!紛擾者,昏昏以終身,而一無所見也。
新字:造化之精,性天之妙,惟静観者知之,惟静養者契之,難与紛擾者道。故止水見星月,才動便光芒錯雑矣。悲夫!紛擾者,昏昏以終身,而一無所見也。
書き下し
造化の精、性天の妙は、惟だ靜觀する者のみ之を知り、惟だ靜養する者のみ之に契ふ。紛擾なる者と道ひ難し。故に止水は星月を見る、才かに動けば便ち光芒錯雜す。悲しいかな、紛擾なる者は、昏昏として身を終へて、一も見る所無し。
現代語訳
造化の精妙さ、本性と天の妙は、ただ静かに観る者だけが知り、静かに養う者だけが適います。せわしなく乱れた者とは語りがたい。ですから止まった水は星や月を映しますが、少しでも動けば光は入り乱れます。悲しいことに、せわしなく乱れた者はぼんやりしたまま生涯を終え、何一つ見ることがありません。
解説
静けさが認識の条件として示されます。止まった水は星も月も映すが、少し動くだけで光が入り乱れる。観察の精度が心の静けさで決まるという比喩です。そして結末が厳しい。せわしない者はぼんやりしたまま生涯を終え、何一つ見ない。見えないのは対象のせいではなく、こちらが波立っているからだという診断になっています。
この章句が説くこと
静観止水星月精度紛擾
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