呻吟語 / 内篇・談道・浩然の氣は冉冉として口鼻中に定まる
氣盛便不見涵養。浩然之氣雖充塞天地間,其實本體間定冉冉口鼻中,不足以呼吸。
新字:気盛便不見涵養。浩然之気雖充塞天地間,其実本体間定冉冉口鼻中,不足以呼吸。
書き下し
氣盛んなれば便ち涵養を見ず。浩然の氣は天地の間に充塞すと雖も、其の實本體は間だ定まりて冉冉として口鼻の中にあり、以て呼吸するに足らず。
現代語訳
気が盛んであれば、養いが見えません。浩然の気は天地のあいだに満ちるといっても、実のところ本体は静かに定まって、ゆるやかに口と鼻のあいだにあり、呼吸としてもかすかなほどです。
解説
孟子の浩然の気が、意外な姿で描かれます。天地に満ちると言われるものの本体は、静かに定まって口と鼻のあいだをかすかに通うだけだ、と。荒々しい気迫の反対側にあるという指摘で、冒頭の、気が盛んであれば養いが見えない、と対をなします。盛んな気と浩然の気を混同するな、という短い訂正になっています。満ちるという言葉から、勢いを連想してしまうことへの注意でもあります。
この章句が説くこと
浩然気盛静呼吸誤解
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