呻吟語 / 内篇・談道・舉世塵俗の中に、另に一種の意味を識る
在舉世塵俗中,另識一種意味,又不輕與鮮能知味者嘗,才是真趣。守此便是至寶。
新字:在舉世塵俗中,另識一種意味,又不軽与鮮能知味者嘗,才是真趣。守此便是至宝。
書き下し
舉世塵俗の中に在りて、另に一種の意味を識り、又輕々しく鮮く味を知る者と嘗めざれば、才めて是れ真趣なり。此れを守れば便ち是れ至寶なり。
現代語訳
世の中じゅうが塵にまみれた俗の中にありながら、別に一種の味わいを知り、しかもそれを味の分かる者の少ない相手と軽々しく味わおうとしない。そこではじめて本当の趣です。これを守れば、それが最高の宝です。
解説
本当の趣の条件が二つ示されます。俗世の中にありながら別の味わいを知っていること、そしてそれを分からない相手と軽々しく分かち合おうとしないこと。後者が要で、前に置かれた、苦しんで求める人にだけ語れ、という一段と同じ姿勢です。世を離れずに保つ、というところに、隠者を批判したこの書の立場が表れています。分かる人の少ないものを、分からない人に見せて回らないという節度です。
この章句が説くこと
塵俗別趣守軽々至宝
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