呻吟語 / 内篇・談道・種種是れ道なり
學者只看得世上萬事萬物種種是道,此心才覺暢然。
新字:学者只看得世上万事万物種種是道,此心才覚暢然。
書き下し
學者は只だ世上の萬事萬物種種是れ道なるを看得れば、此の心才めて暢然たるを覺ゆ。
現代語訳
学ぶ者は、ただ世の中の万事万物のどれもこれもが道であると見えるようになって、はじめてこの心が伸びやかになるのを覚えます。
解説
学びが行き詰まったときの解き方が示されます。道が書物の中や特別な場面にあると思っているうちは窮屈で、世の万事万物すべてが道だと見えるようになってはじめて心が伸びやかになる、と。二十三字の短い一段ですが、学問を閉じた領域から日常へ開く一句です。次の段で示される、塵俗の中で別の味わいを知る、という話ともつながっています。
この章句が説くこと
万物道開放暢然視界
関連する章句
-
老子 第1章道たる可く道も、常の道に非ず。名たる可く名づくるも、常の名に非ず。名無くして天地の始まり、名有りて萬物の母。故に常に欲無くして以てその妙を観、常に欲有りて以てその窮を観。此二つは、同じく出でて異なる名、同じく之を玄と謂う。玄の又玄、衆妙の門なり。
-
孫子・始計篇道とは、民をして上と意を同じくし、之と死す可く、之と生く可くして、危きを畏れざらしむるなり。
-
論語・公冶長篇子曰く、「道行われず、桴に乗りて海に浮かばん。我に従わん者は、其れ由か。」子路之を聞きて喜ぶ。子曰く、「由や、勇を好むこと我に過ぎたり。材を取る所無し。」
-
孫子・形篇善く兵を用うる者は、道を修めて法を保つ。故に能く勝敗の政を為す。
-
論語・微子篇柳下恵、士師と為り、三たび黜けらる。人曰く、「子未だ以て去る可からざるか。」曰く、「道を直くして人に事うれば、焉くに往くとして三たび黜けられざらん。道を枉げて人に事うれば、何ぞ必ずしも父母の邦を去らん。」
-
うひ山ぶみ・第二十一段そもそも此道は、天照大御神の道にして、天皇の天下をしろしめす道、四海万国にゆきわたりたる、まことの道なるが、ひとり皇国に伝はれるを、其道は、いかなるさまの道ぞといふに、