呻吟語 / 内篇・談道・寧ろ道統家の奴婢と為るも、傍流家の宗子と為らず
除了個中字,更定道統不得。傍流之至聖,不如正路之賢人,故道統寧中絕,不以傍流繼嗣。何者?氣脈不同也。予嘗曰:「寧為道統家奴婢,不為傍流家宗子。」
新字:除了個中字,更定道統不得。傍流之至聖,不如正路之賢人,故道統寧中絶,不以傍流継嗣。何者?気脈不同也。予嘗曰:「寧為道統家奴婢,不為傍流家宗子。」
書き下し
個の中の字を除き了らば、更に道統を定め得ず。傍流の至聖は、正路の賢人に如かず。故に道統は寧ろ中絕するも、傍流を以て繼嗣せず。何者ぞ、氣脈同じからざればなり。予嘗て曰く、「寧ろ道統家の奴婢と為るも、傍流家の宗子と為らず」と。
現代語訳
中という一字を除いてしまえば、道の系譜を定めることができません。傍流の至れる聖人も、正しい路にある賢人には及びません。ですから道の系譜はむしろ途絶えても、傍流によって継がせません。なぜでしょうか。気の脈が違うからです。私はかつて言いました。むしろ道統の家の召使いになっても、傍流の家の跡取りにはならない、と。
解説
道統を定める基準が中の一字に置かれます。そして極端な主張が続きます。傍流の聖人より正路の賢人が上であり、絶えても傍流には継がせない、と。理由は気脈が違うからだと言われます。最後の一句が強烈です。道統の家の召使いになっても、傍流の家の跡取りにはならない。位よりどの流れに属するかを取るという、学問上の立場の宣言になっています。

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中道統傍流気脈選択
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