呻吟語 / 内篇・倫理・家法は威如たるを要す
齊以刀切物,使參差者就於一致也。家人恩勝之地,情多而義少,私易而公難,若人人遂其欲,勢將無極。故古人以父母為嚴君,而家法要威如,蓋對症之治也。
新字:斉以刀切物,使参差者就於一致也。家人恩勝之地,情多而義少,私易而公難,若人人遂其欲,勢将無極。故古人以父母為厳君,而家法要威如,蓋対症之治也。
書き下し
齊は刀を以て物を切り、參差なる者をして一致に就かしむるなり。家人は恩の勝つの地、情多くして義少なく、私は易くして公は難し。若し人人其の欲を遂げば、勢ひ將に極まり無からんとす。故に古人は父母を以て嚴君と為し、家法は威如たるを要す。蓋し症に對するの治なり。
現代語訳
斉えるとは、刀で物を切り、ふぞろいなものを一つに揃えることです。家の者は恩が勝つ場所で、情が多く義が少なく、私は容易で公は難しい。もし一人一人が欲を遂げれば、勢いは際限がなくなります。ですから昔の人は父母を厳しい君と呼び、家の法は威厳を要すると言いました。症状に応じた治療なのです。
解説
家庭に厳しさが要る理由が、場所の性質から説明されます。家は恩が勝つ場所だから、情が多く義が少なく、私が通りやすい。放っておけば各自の欲が際限なく広がる、と。だから父母を厳君と呼び、家法に威厳を求める。厳しさが本来の価値ではなく、偏りを正す処方として位置づけられているのが要点で、症に対する治療だと明言されています。
この章句が説くこと
斉恩私厳君処方
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