呻吟語 / 内篇・倫理・當に日〻勤勞せしめ、常に卑屈ならしむべし
子、婦事人者也,未為父兄以前,莫令奴婢奉事,長其驕惰之情。當日使勤勞,常令卑屈,此終身之福。不然,是殺之也。昏愚父母、驕奢子弟,不可不知。
新字:子、婦事人者也,未為父兄以前,莫令奴婢奉事,長其驕惰之情。当日使勤労,常令卑屈,此終身之福。不然,是殺之也。昏愚父母、驕奢子弟,不可不知。
書き下し
子・婦は人に事ふる者なり。未だ父兄と為らざる以前は、奴婢をして奉事せしめ、其の驕惰の情を長ぜしむる莫かれ。當に日〻勤勞せしめ、常に卑屈ならしむべし。此れ終身の福なり。然らずんば、是れ之を殺すなり。昏愚の父母、驕奢の子弟、知らざる可からず。
現代語訳
子や嫁は人に仕える者です。まだ父や兄となる前は、召使いに世話をさせて、驕り怠る心を育ててはなりません。日々働かせ、常にへりくだらせるべきです。これが生涯の福です。そうしなければ、それは殺すのと同じです。愚かな父母と、驕り贅沢な子弟は、知らずにいてはなりません。
解説
若いうちに世話をさせるなという教えです。理由は簡潔で、驕りと怠けが育つから。そして働かせ、へりくだらせることが生涯の福だと言われます。厳しく聞こえますが、続く一句が強烈です。そうしなければ殺すのと同じだ、と。甘やかしを、愛情不足ではなく加害として扱う見方で、前段の豢養の議論を家庭の実践に落とした一段になっています。
この章句が説くこと
子婦勤労卑屈甘やかし加害
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