呻吟語 / 内篇・倫理・此れ卑幼の道なり
長者有議論,唯唯而聽,無相直也;有諮詢,謇謇而對,無遽盡也。此卑幼之道也。
新字:長者有議論,唯唯而聴,無相直也;有諮詢,謇謇而対,無遽尽也。此卑幼之道也。
書き下し
長者に議論有らば、唯唯として聽き、相直くする無かれ。諮詢有らば、謇謇として對へ、遽かに盡くす無かれ。此れ卑幼の道なり。
現代語訳
目上の人が議論するときは、はいはいと聞いて、正面から言い張ってはなりません。諮問があるときは、慎み深く答えて、いきなり言い尽くしてはなりません。これが目下の者の道です。
解説
目下の者の作法が二つ示されます。議論では言い張らず、諮問では一気に答え切らない。どちらも受け身に見えますが、後者が要です。聞かれても一度に全部言わない、という加減は、相手が受け取れる量を見るということでもあります。前の段で友の遠慮の無さを称えた直後に置かれると、相手によって作法が違うことがはっきりします。
この章句が説くこと
卑幼作法唯唯謇謇加減
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