呻吟語 / 内篇・倫理・憂へて悲しまず
進食於親,侑而不勸;進言於親,論而不諫;進侍於親,和而不莊。親有疾,憂而不悲;身有疾,形而不聲。
新字:進食於親,侑而不勧;進言於親,論而不諫;進侍於親,和而不荘。親有疾,憂而不悲;身有疾,形而不声。
書き下し
親に食を進むるには、侑めて勸めず。親に言を進むるには、論じて諫めず。親に侍を進むるには、和して莊ならず。親に疾有らば、憂へて悲しまず。身に疾有らば、形して聲せず。
現代語訳
親に食事を勧めるときは、そばで促すだけで無理に勧めません。親に意見を申し上げるときは、論じるだけで諫めません。親のそばに侍るときは、和やかにして堅苦しくしません。親が病気のときは、憂えても悲しみません。自分が病気のときは、様子に出しても声には出しません。
解説
親に接するときの加減が五つ挙げられます。どれも、やりすぎないことに力点が置かれています。勧めるのではなく促す、諫めるのではなく論じる、堅苦しくせず和やかに。そして病のときの扱いが二つ。親の病には憂えても悲しんで見せず、自分の病は顔に出ても声には出さない。どちらも相手の心を重くしないための加減で、気づかいの技術として具体的です。
この章句が説くこと
加減侑論憂抑制
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