呻吟語 / 内篇・存心・此の心を信じ得ば、天我を知る莫しと雖も奚ぞ病まん
看得真幻景,即身不吾有何傷?況把世情嬰肺腑;信得過此心,雖天莫我知奚病?那教流語惱胸腸。
新字:看得真幻景,即身不吾有何傷?況把世情嬰肺腑;信得過此心,雖天莫我知奚病?那教流語悩胸腸。
書き下し
真幻の景を看得ば、即ち身の吾に有らざるも何ぞ傷まん。況んや世情を肺腑に嬰らはんや。此の心を信じ得ば、天我を知る莫しと雖も奚ぞ病まん。那ぞ流語をして胸腸を惱ましめん。
現代語訳
真実と幻の景色を見きわめられれば、この身が自分のものでなくても何を傷むでしょうか。まして世間の思わくを胸の内にまとわりつかせることがありましょうか。この心を信じられれば、天が自分を知らなくても何を病むでしょうか。どうして流れるうわさに胸を悩ませましょうか。
解説
二段構えで、外からの評価が切り離されます。前半は身について。身さえ自分のものでないと見きわめれば、世間の思わくなど問題にならない。後半は心について。自分の心を信じられれば、天に知られなくてもよい、まして人のうわさなど、と。大きいほうを先に片づけてから小さいほうを不問にする論法で、うわさへの耐性が二段の推論で組み立てられています。
この章句が説くこと
真幻身自信天知流言
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