呻吟語 / 内篇・存心・未事の前に定め、事に當たりて凝一す
口有慣言,身有誤動,皆不存心之故也。故君子未事前定,當事凝一。識所不逮,力所不能,雖過無愧心矣。
新字:口有慣言,身有誤動,皆不存心之故也。故君子未事前定,当事凝一。識所不逮,力所不能,雖過無愧心矣。
書き下し
口に慣言有り、身に誤動有るは、皆心を存せざるの故なり。故に君子は未事の前に定め、事に當たりて凝一す。識の逮ばざる所、力の能はざる所は、過つと雖も愧づる心無し。
現代語訳
口に決まり文句があり、体に誤った動きがあるのは、みな心を保っていないからです。ですから君子は、事の起こる前に定め、事に当たっては心を一つに凝らします。見識が及ばないところ、力が足りないところは、過ちがあっても恥じる心がありません。
解説
失敗が二種類に分けられます。心を保っていなかったための失敗と、見識や力が足りないための失敗です。前者は恥じるべきで、後者は恥じなくてよい、と。対策も示されます。事の前に定め、事に当たって凝らす。自分の努力で防げる失敗だけを責任範囲とする線引きで、実力不足を責めない寛さと、心の不在を許さない厳しさが同居しています。
この章句が説くこと
慣言誤動事前凝一線引
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