呻吟語 / 内篇・存心・才めて涵養を見る
平居時,有心訒言還容易,何也?有意收斂故耳。只是當喜怒愛憎時,發當其可、無一厭人語,才見涵養。
新字:平居時,有心訒言還容易,何也?有意収斂故耳。只是当喜怒愛憎時,発当其可、無一厭人語,才見涵養。
書き下し
平居の時、心有りて言を訒ぶは還た容易し。何ぞや。收斂するに意有るが故のみ。只だ是れ喜怒愛憎の時に當たりて、發して其の可に當たり、一も人を厭はしむる語無くして、才めて涵養を見る。
現代語訳
平生のときに、心して言葉を控えるのはむしろたやすい。なぜでしょうか。引き締めようという意図があるからです。ただ喜び怒り愛し憎むときに当たって、口に出すことがちょうど適切で、一言も人を不快にさせる言葉がない。そこではじめて養いが見えます。
解説
言葉を慎む修養が、試される場面によって値打ちが変わると示されます。平生に口数を減らすのは、意図してやっているのだから簡単だ、と。本当に見えるのは感情が動いているときで、そのときに出た言葉がちょうど適切で、誰も不快にしない。試験の場所を正しく指定した一段で、日ごろの寡黙さを養いと取り違えるなという指摘でもあります。
この章句が説くこと
訒言平居喜怒試験涵養
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