呻吟語 / 内篇・存心・只だ去りて沾戀するを怕る
不怕來濃艷,只怕去沾戀。
新字:不怕来濃艶,只怕去沾恋。
書き下し
來たりて濃艷なるを怕れず、只だ去りて沾戀するを怕る。
現代語訳
やってくるものが濃く艶やかであることは恐れません。ただ去った後に染みついて執着することを恐れます。
解説
恐れるべき場所が、出会いの時から別れの後へ移されます。目の前に来たものが華やかであること自体は問題ではない、と。問題は去った後に心に残り、引きずることです。前に置かれた鏡の比喩と同じ構えで、来れば照らし去れば消えるのが正しい。誘惑を避けるのではなく、後を引かないことを課題にする、十二字の一句です。出会いを断つより、別れ方を鍛えよという方針になっています。
この章句が説くこと
濃艶執着残留鏡後引き
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