呻吟語 / 内篇・存心・只だ是れ理を怕る
大丈夫不怕人,只是怕理;不恃人,只是恃道。
書き下し
大丈夫は人を怕れず、只だ是れ理を怕る。人を恃まず、只だ是れ道を恃む。
現代語訳
立派な人物は人を恐れず、ただ道理を恐れます。人を頼りにせず、ただ道を頼りにします。
解説
恐れる先と頼る先が、どちらも人から道理へ移されます。人を恐れないと言われると強気の話に聞こえますが、すぐに道理を恐れると続くので、恐れが無くなったのではなく向き先が変わったのだと分かります。頼りについても同じ形です。人に左右されない生き方が、無頼ではなく、別のものに従うことによって成り立つと示されています。
この章句が説くこと
畏敬依拠人理転換
関連する章句
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『呻吟語』内篇・應務・理を推して是れ視る時勢を以て理を低昂する者は、眾人なり。理を以て時勢を低昂する者は、賢人なり。理を推して是れ視、低昂する所無き者は、聖人なり。
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『呻吟語』外篇・品藻・惟だ其の理のみ勢の為す可からずして猶ほ之を為す者有るは、惟だ其の理のみ。此を知らば則ち三仁は五臣と事功を比す可く、孔子は堯・舜と政治を較ぶ可し。
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『呻吟語』内篇・談道・勢は帝王の權、理は聖人の權公卿朝に爭議するに、天子に命有りと曰へば、則ち屏然として敢へて屈直せず。師儒學に相辯ずるに、孔子に言有りと曰へば、則ち寂然として敢へて異同せず。故に天地の間、惟だ理と勢とを最尊と為す。然りと雖も、理は又尊の尊なり。廟堂の上に理を言へば、則ち天子も勢を以て相奪ふを得ず。即し相奪ふとも、理は則ち常に天下萬世に伸ぶ。故に勢は、帝王の權なり。理は、聖人の權なり。帝王に聖人の理無くんば、則ち其の權時有りて屈す。然らば則ち理なる者は、又勢の恃みて以て存亡を為す所なり。莫大の權を以て僭竊の禁無し。此れ儒者の辭せずして敢へて斯道の南面に任ずる所以なり。
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『呻吟語』内篇・談道・理一にして氣・勢・利は三なり先天は、理のみ。後天は、氣のみ。天下は、勢のみ。人情は、利のみ。理は一にして、氣・勢・利は三なり。勝負知る可し。
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『呻吟語』内篇・應務・理を貶せず、又た人を駭かさず君子の事に處するに真見有るも、遽かに行はざるなり。又た眾見を驗し、眾情を察し、諸を理に協へて協ひ、諸を眾情・眾見に協へて協へば、則ち斷じて以て必ず行ふ。果たして理は當然にして、眾情・眾見の協はざるや、又た委曲して以て吾が理を行ふ。既に理を貶せず、又た人を駭かさず。此れを之れ理術と謂ふ。噫、惟だ聖人のみ之を能くす。獵較の類是れなり。
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『正法眼蔵随聞記』巻二法語等を書くにも、文章におほせて書んとし、韻声差へば礙へられなんとするは知りたる咎なり、語言文章はいかにもあれ、思ふ儘の理を順々と書きたらんは、後来も文はわろしと思ふとも、理だにも聞わたらば、道のためには大切なり、余の才学も斯くの如し、