呻吟語 / 内篇・存心・般般足り、樣樣有り
定靜中境界,與六合一般大,裡面空空寂寂,無一個事物;才問他索時,般般足,樣樣有。
新字:定静中境界,与六合一般大,裡面空空寂寂,無一個事物;才問他索時,般般足,様様有。
書き下し
定靜中の境界は、六合と一般に大なり。裡面は空空寂寂として、一個の事物無し。才かに他に問ひ索むる時、般般足り、樣樣有り。
現代語訳
定まって静かな中の境地は、天地四方と同じくらい大きい。内側は空々として寂かで、一つの物もありません。しかしちょっと求めてみれば、何もかも足りていて、どれもこれも揃っています。
解説
静かな心の内側が、二通りに描かれます。何もないのに、求めれば何でもある。矛盾に見えますが、空だから何でも入るという構造です。前に出てきた、心は虚を貴ぶ、という一段の続きになります。空にすることは失うことではなく、必要なときに必要なものが出てくる状態を作ることだ、と。備えを物ではなく空白として捉える見方です。
この章句が説くこと
定静空寂余白充足境地
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