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呻吟語 / 内篇・存心・疑ひを蓄ふる者は、真知を亂す

久視則熟字不識,注視則靜物若動,乃知蓄疑者,亂真知;過思者,迷正應。

新字:久視則熟字不識,注視則静物若動,乃知蓄疑者,乱真知;過思者,迷正応。

書き下し

久しく視れば則ち熟字も識らず、注視すれば則ち靜物も動くがごとし。乃ち知る、疑ひを蓄ふる者は真知を亂し、思ひ過ぐる者は正應に迷ふことを。

現代語訳

長く見つめていると、見慣れた字でも読めなくなります。じっと見つめていると、静止した物でも動いて見えます。そこで分かります。疑いを溜め込む者は本当の知を乱し、考えすぎる者は正しい対応を見失うのだ、と。

解説

見つめすぎると起きる二つの現象から、心の法則が引き出されます。見慣れた字が読めなくなり、止まっている物が動いて見える。どちらも今日でも誰もが経験することです。そこから、疑いを溜めれば本当の知が乱れ、考えすぎれば正しい対応を見失うと結ばれます。注意深さが一定を超えると精度が落ちるという、目の錯覚を使った的確な説明です。
『人生の方程式』の表紙

人生を、一行の式にしてみた。

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この章句が説くこと

錯覚注視蓄疑過思限度

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