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呻吟語 / 内篇・存心・兩間に一塵を見ず

君子洗得此心淨,則兩間不見一塵;充得此心盡,則兩間不見一礙;養得此心定,則兩間不見一怖;持得此心堅,則兩間不見一難。

新字:君子洗得此心浄,則両間不見一塵;充得此心尽,則両間不見一礙;養得此心定,則両間不見一怖;持得此心堅,則両間不見一難。

書き下し

君子此の心を洗ひ得て淨ければ、則ち兩間に一塵を見ず。此の心を充たし得て盡くせば、則ち兩間に一礙を見ず。此の心を養ひ得て定まれば、則ち兩間に一怖を見ず。此の心を持し得て堅ければ、則ち兩間に一難を見ず。

現代語訳

君子がこの心を洗って清らかにすれば、天地のあいだに一つの塵も見えません。この心を満たし尽くせば、天地のあいだに一つの妨げも見えません。この心を養って定まれば、天地のあいだに一つの恐れも見えません。この心を保って堅くすれば、天地のあいだに一つの困難も見えません。

解説

心の四つの状態に、外の世界の四つの消失が対応づけられます。洗えば塵が、満たせば妨げが、定まれば恐れが、堅くすれば困難が見えなくなる。外の世界が変わるのではなく、見え方が変わるという構造です。塵も妨げも恐れも困難も、実は自分の側の状態が映ったものだという見方で、環境を嘆く前に自分の状態を見よという順序が示されています。

この章句が説くこと

洗心充実安定堅持投影

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