呻吟語 / 内篇・存心・躁心浮氣、淺衷狹量
「躁心浮氣,淺衷狹量」,此八字,進德者之大忌也。去此八字,只用得一字,曰主靜。靜則凝重。靜中境自是寬闊。
新字:「躁心浮気,浅衷狭量」,此八字,進徳者之大忌也。去此八字,只用得一字,曰主静。静則凝重。静中境自是寛闊。
書き下し
「躁心浮氣、淺衷狹量」、此の八字は、德に進む者の大忌なり。此の八字を去るに、只だ一字を用ひ得るのみ、曰く靜を主とす。靜なれば則ち凝重なり。靜中の境は自ら是れ寬闊なり。
現代語訳
焦る心、浮ついた気、浅い胸の内、狭い度量。この八字は、徳に進もうとする者の大きな禁物です。この八字を取り除くのに、使える字はただ一字だけ、静を主とすることです。静かであれば固まって重くなります。静かさの中の境地は、おのずと広々としています。
解説
進歩を妨げるものが八字に列挙されます。焦り、浮つき、浅さ、狭さ。四つとも別々の欠点に見えますが、処方はたった一字だと言われます。静を主とすること。静かであれば重みが出て、重みが出れば浅さも狭さも消える、という筋道です。そして最後の一句が効いています。静かさの中は狭いどころか広々としている、と。引き締めることと窮屈さは違うという指摘です。
この章句が説くこと
躁心浮気静凝重寛闊
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