呻吟語 / 内篇・存心・寧耐は事を思ふ第一の法
寧耐,是思事第一法;安詳,是處事第一法;謙退,是保身第一法;涵容,是處人第一法;置富貴、貧賤、死生、常變於度外,是養心第一法。
新字:寧耐,是思事第一法;安詳,是処事第一法;謙退,是保身第一法;涵容,是処人第一法;置富貴、貧賤、死生、常変於度外,是養心第一法。
書き下し
寧耐は、是れ事を思ふ第一の法。安詳は、是れ事に處る第一の法。謙退は、是れ身を保つ第一の法。涵容は、是れ人に處る第一の法。富貴・貧賤・死生・常變を度外に置くは、是れ心を養ふ第一の法。
現代語訳
じっと耐えること、これが事を考える第一の法です。落ち着いて詳らかであること、これが事に対処する第一の法です。謙り退くこと、これが身を保つ第一の法です。包み容れること、これが人と付き合う第一の法です。富貴も貧賤も生死も平常も変事も度外に置くこと、これが心を養う第一の法です。
解説
五つの場面に、それぞれ第一の法が割り当てられます。考える、対処する、身を保つ、人と付き合う、心を養う。どれも一語ずつで、寧耐、安詳、謙退、涵容、度外に置く、と並びます。五つとも前へ出る動きではなく、耐える、落ち着く、退く、容れる、置く、という引く動きであるのが特徴です。呻吟語の処世観が一覧になった、よく引かれる一段です。
この章句が説くこと
寧耐安詳謙退涵容度外
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