呻吟語 / 内篇・性命・蘭は火を以て香り、亦た火を以て滅す
蘭以火而香,亦以火而滅;膏以火而明,亦以火而竭;炮以火而聲,亦以火而泄。陰者所以存也,陽者所以亡也,豈獨聲色、氣味然哉?世知鬱者之為足,是謂萬年之燭。
新字:蘭以火而香,亦以火而滅;膏以火而明,亦以火而竭;炮以火而声,亦以火而泄。陰者所以存也,陽者所以亡也,豈独声色、気味然哉?世知鬱者之為足,是謂万年之燭。
書き下し
蘭は火を以て香り、亦た火を以て滅す。膏は火を以て明らかに、亦た火を以て竭く。炮は火を以て聲し、亦た火を以て泄る。陰は存する所以の者なり、陽は亡ぶる所以の者なり。豈に獨り聲色・氣味のみ然らんや。世の鬱する者の足ると為すを知るは、是れ萬年の燭と謂ふ。
現代語訳
蘭は火によって香り、また火によって尽きます。油は火によって明るく、また火によって尽きます。砲は火によって鳴り、また火によって漏れます。陰は存続させるもの、陽は滅ぼすものです。どうして音や色や気や味だけがそうでしょうか。世に、内にこもることを十分と知る者があれば、それを万年の燭と言います。
解説
同じ火が香らせも尽きさせもするという例が三つ並びます。蘭、油、砲。発揮することと消耗することが同じ一つの作用だという指摘です。そこから陰は存続、陽は滅びという原理が引き出されます。内にこもることを不足ではなく十分と思える人は、万年もつ蝋燭だ、と。目立つことが消耗であるという見方で、前段の蝸牛と揃っています。
この章句が説くこと
発揮消耗陰陽内蔵持続
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