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呻吟語 / 序・呻吟は病の聲なり

呻吟,病聲也。呻吟語,病時語也。病中疾痛,惟病者知,難與他人道,亦惟病時覺,既瘉,旋復忘也。

新字:呻吟,病声也。呻吟語,病時語也。病中疾痛,惟病者知,難与他人道,亦惟病時覚,既瘉,旋復忘也。

書き下し

呻吟は、病の聲なり。呻吟語は、病める時の語なり。病中の疾痛は、惟だ病者のみ知り、他人と道ひ難く、亦た惟だ病む時にのみ覺え、既に瘉ゆれば、旋ち復た忘るるなり。

現代語訳

呻吟とは、病のうめき声です。呻吟語とは、病んでいるときの言葉です。病の最中の痛みは、病んでいる本人だけが知っていて、他人に語ることが難しく、また病んでいるときにだけ感じられて、治ってしまえば、すぐにまた忘れてしまうものです。

解説

書名の説明から始まります。呻吟とは病人のうめき声で、この書はうめきながら書きとめた言葉だ、と。ここで大事なのは、痛みには三つの性質があると言われている点です。本人にしか分からない、他人に伝えられない、そして治ると忘れる。三つ目がとりわけ重い。苦しいときに見えていたものは、楽になった瞬間に手から落ちるのです。だから書きとめる、という動機が最初の一段で示されます。

この章句が説くこと

呻吟痛み忘却記録

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