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詩経 / 周頌・閔予小子之什・糸衣

《絲衣》,繹賓尸也。高子曰:「靈星之尸也。」 絲衣其紑,載弁俅俅。自堂徂基,自羊徂牛;鼐鼎及鼒,兕觥其觩。旨酒思柔。不吳不敖,胡考之休。

新字:《糸衣》,繹賓尸也。高子曰:「霊星之尸也。」 糸衣其紑,載弁俅俅。自堂徂基,自羊徂牛;鼐鼎及鼒,兕觥其觩。旨酒思柔。不呉不敖,胡考之休。

書き下し

糸衣(しい)は、賓尸(ひんし)を繹(えき)するなり。高子(こうし)曰く、霊星(れいせい)の尸(し)なり、と。 糸衣其れ紑(ふう)たり、載(すなわ)ち弁(べん)して俅俅(きゅうきゅう)たり。堂より基(き)に徂(ゆ)き、羊より牛に徂く。鼐鼎(だいてい)及び鼒(し)、兕觥(じこう)其れ觩(きゅう)たり。旨酒(ししゅ)思(ここ)に柔らかなり。呉(かまびす)しからず敖(おご)らず、胡考(ここう)の休(さいわい)なり。

現代語訳

「糸衣」の詩は、祭りの翌日に再び祀る繹祭(えきさい)で、神の依り代となった尸(かたしろ)を賓客としてもてなしたときの歌である。高子は「霊星(農の星)の祭りの尸である」と言っている。 絹の祭服は鮮やかに清らかで、冠をかぶった姿は恭しく整っている。堂から門のもとへと進み、羊から牛へと供え物を見て回る。大きな鼎も小さな鼎も備え、野牛の角の杯は長く曲がっている。うまい酒はやわらかな味わい。騒がず驕らず、これこそ長寿の人の幸いである。

解説

祭りの翌日に行われる繹祭で、神の依り代となった尸をもてなす場面を歌う周頌の短い歌である。尸とは、祭りの際に祖先の霊を宿す役として座に着いた人で、多くは子孫がこれを務めた。絹の祭服に冠をつけた者が、堂から門のもとへと進み、供え物の羊や牛、大小の鼎を点検し、角の杯でやわらかな酒を勧める。毛詩序は賓尸を繹する詩とし、あわせて高子が霊星の尸だと言ったという異説も記している。結びの「呉しからず敖らず、胡考の休なり」は、祭りの場で騒がず驕らないことが長寿の幸いにつながる、という意味に読まれる。酒の席であっても節度を保つことが、神にも人にも喜ばれるという考えである。宴の場での振る舞いに、その人の品格が現れるという教えは今も変わらない。

この章句が説くこと

詩経祭祀酒節度周頌

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