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説苑 / 雜言

玉有六美,君子貴之:望之溫潤,近之栗理,聲近徐而聞遠,折而不撓,闕而不荏,廉而不劌,有瑕必示之於外,是以貴之。望之溫潤者,君子比德焉,近於栗理者,君子比智焉;聲近徐而聞遠者,君子比義焉;折而不撓,闕而不荏者,君子比勇焉;廉而不劌者,君子比仁焉;有瑕必見於外者,君子比情焉。

新字:玉有六美,君子貴之:望之温潤,近之栗理,声近徐而聞遠,折而不撓,闕而不荏,廉而不劌,有瑕必示之於外,是以貴之。望之温潤者,君子比徳焉,近於栗理者,君子比智焉;声近徐而聞遠者,君子比義焉;折而不撓,闕而不荏者,君子比勇焉;廉而不劌者,君子比仁焉;有瑕必見於外者,君子比情焉。

書き下し

玉に六美有り、君子之を貴ぶ。之を望めば温潤、之に近づけば栗理、声は徐きに近くして遠くに聞こえ、折るるも撓まず、闕くるも荏らず、廉にして劌わず、瑕有れば必ず之を外に示す、是を以て之を貴ぶなり。之を望みて温潤なる者は、君子徳に比す。栗理に近き者は、君子智に比す。声徐きに近くして遠くに聞こゆる者は、君子義に比す。折るるも撓まず、闕くるも荏らざる者は、君子勇に比す。廉にして劌わざる者は、君子仁に比す。瑕有れば必ず外に見わるる者は、君子情に比す。

現代語訳

玉には六つの美点があり、君子はこれを貴ぶ。遠くから眺めれば温かく潤いがあり、近づいてみればきめ細かな木理のような肌理があり、その音色は控えめでありながら遠くまで響き渡り、折れることはあっても曲がることはなく、欠けることはあってもぐらつくことはなく、角があっても人を傷つけず、瑕があれば必ずそれを外側に見せる。だからこそ人々はこれを貴ぶのである。遠くから眺めて温かく潤いがあるのは、君子がこれを徳になぞらえるところである。きめ細かな肌理に近いのは、君子がこれを智になぞらえるところである。音色が控えめでありながら遠くまで響き渡るのは、君子がこれを義になぞらえるところである。折れることはあっても曲がらず、欠けることはあってもぐらつかないのは、君子がこれを勇になぞらえるところである。角があっても人を傷つけないのは、君子がこれを仁になぞらえるところである。瑕があれば必ず外側に見えるのは、君子がこれを情(誠実さ)になぞらえるところである。

解説

玉の六つの美点――温かみ・きめ細かさ・控えめでありながら遠くまで届く声・折れても曲がらぬ強さ・欠けてもぐらつかぬ安定・傷つけない角・隠さず見える瑕――を、徳・智・義・勇・仁・情という六つの徳目になぞらえるこの章は、理想の人格を宝石という具体的なイメージに結晶させて示す。特に瑕があれば必ず外に見せるという一節は、欠点を隠し取り繕うことを美徳とせず、むしろ自らの至らなさを隠さず明らかにすることこそが信頼に値する誠実さだと説いており、現代の自己開示やリーダーの透明性にも通じる洞察である。完璧を装うことよりも、強さと欠点の両方を偽らずさらけ出す玉のような在り方こそが、真に人から貴ばれる人格の姿だという教えである。

この章句が説くこと

玉の六美誠実さ欠点の開示

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