説苑 / 雜言
仲尼曰:「非其地而樹之,不生也,非其人而語之,弗聽也;得其人,如聚沙而雨之,非其人,如聚聾而鼓之。」
新字:仲尼曰:「非其地而樹之,不生也,非其人而語之,弗聴也;得其人,如聚沙而雨之,非其人,如聚聾而鼓之。」
書き下し
仲尼曰く、「其の地に非ずして之を樹うれば、生ぜざるなり。其の人に非ずして之に語れば、聴かざるなり。其の人を得れば、沙を聚めて之に雨降らすが如く、其の人に非ざれば、聾を聚めて之に鼓するが如し」と。
現代語訳
孔子は言った。「その土地にふさわしくないところに木を植えても、育たない。その人物にふさわしくない相手に語りかけても、聞き入れられない。ふさわしい人物を得て教えるならば、それはまるで砂を集めた上に雨を降らせるように染み渡り、ふさわしくない人物に語りかければ、それはまるで耳の聞こえない者たちを集めて太鼓を打ち鳴らすようなものだ」と。
解説
土地に合わない木が育たないように、相手を選ばずに語りかける言葉は、いかに正しくとも全く届かないという孔子の比喩は、教えや説得の成否が内容の正しさだけでなく、相手との適合性に大きく左右されることを鋭く示す。現代の教育や組織のコミュニケーションにおいても、同じ助言や指導方針が、受け手によって深く染み渡ることもあれば、全く響かず空回りすることもある。この章が教えるのは、伝えたいことがあるときにまず問うべきは何を語るか以上に誰に語るか、その相手は今それを受け取れる状態にあるかを見極めることの重要性である。
この章句が説くこと
適材適所伝わり方相手の見極め
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