説苑 / 雜言
子路行,辭於仲尼曰:「敢問新交取親若何?言寡可行若何?長為善士而無犯若何?」仲尼曰:「新交取親,其忠乎!言寡可行,其信乎!長為善士而無犯,其禮乎!」
新字:子路行,辞於仲尼曰:「敢問新交取親若何?言寡可行若何?長為善士而無犯若何?」仲尼曰:「新交取親,其忠乎!言寡可行,其信乎!長為善士而無犯,其礼乎!」
書き下し
子路行くに、仲尼に辞して曰く、「敢えて問う、新交親しみを取ること若何。言寡くして行う可きこと若何。長く善士と為りて犯す無きこと若何」と。仲尼曰く、「新交親しみを取るは、其れ忠か。言寡くして行う可きは、其れ信か。長く善士と為りて犯す無きは、其れ礼か」と。
現代語訳
子路が旅立つにあたり、孔子に別れを告げて尋ねた。「あえてお伺いします。新しく交わった相手から親しみを得るにはどうすればよいでしょうか。言葉少なくして、なお実行できるようにするにはどうすればよいでしょうか。長く善き士であり続けて過ちを犯さないためにはどうすればよいでしょうか」と。孔子は答えた。「新しい交わりで親しみを得るには、忠実であることだ。言葉少なくして実行できるようにするには、信義があることだ。長く善き士であり続けて過ちを犯さないためには、礼を尽くすことだ」と。
解説
出発を前にした子路が投げかけた三つの問い――新しい人間関係での信頼獲得、有言実行、そして長期にわたる過ちなき生き方――に対し、孔子は忠・信・礼という三つの単純な徳目で答える。現代のビジネスや人間関係でも、初対面の相手との信頼構築、言葉数を減らして実行力で示すこと、長期にわたって信用を損なわない生き方は、いずれも普遍的な課題であり続けている。この章が示すのは、複雑に見える人間関係の課題も、突き詰めれば忠実さ・信義・礼儀という基本的な徳目の実践に帰着するという、シンプルで揺るがない指針である。
この章句が説くこと
忠信礼信頼構築有言実行
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